8 juillet 2010

『ブルードラゴン』

ブルードラゴン Xbox 360 プラチナコレクション
ブルードラゴン Xbox 360 プラチナコレクション


『ブルードラゴン』は2006年に発売された Xbox360 用の RPG。
『ファイナルファンタジー』シリーズを手掛けた坂口博信が監督・脚本を務め、『ドラゴンクエスト』シリーズを手掛けた鳥山明がキャラクターデザインを務めるということで、話題を集めていた覚えがある。
Xbox360 本体とのパック販売も行われて、本体の販売台数を伸ばすことに貢献したはずだ。
その本体同梱版のゲームディスクが中古で500円という捨て値で売られていたので、買ってプレイしてみた。

作品の舞台は、高度に発達した機械文明がはるか昔に滅び、中世程度のレベルまで復興した世界。
主人公の少年が住む村では、年に一度、紫色の雲とともに現れる「地鮫」という怪物の襲来に悩まされていた。
そしてまた地鮫が現れたある日、主人公とその幼馴染の少年少女の3人は、共同して地鮫の捕獲に挑む。
罠によって捕獲に成功したと思いきや、彼らは地鮫に引きずられて古代文明の遺跡まで迷い込んでしまう。
そこで彼らは、地鮫の正体が機械であることを知る。
さらに地鮫は、3人を謎の空中要塞へと連れて行った。
その要塞の主は、ネネという謎の老人であった。
自らの楽しみのために地鮫を操って村を襲っていたというネネに主人公は立ち向かうが、ネネの魔法の力の前にあっさり敗北。
要塞から放り出されるものの、不思議な力で要塞の中に舞い戻る。
そして3人の前に光の玉が現れ、謎の女性の声がその玉を飲めと語る。
警備ロボットに囲まれ窮した3人は、光の玉を飲み込んだ。
すると彼らの影が竜や牛の姿を取り、ロボットを撃退する。
飛行機械を奪って要塞を脱出した3人は、村から遠く離れた場所に不時着。
村への帰還を目指し、「魔法の影」でモンスターを倒しつつ旅をしてゆく。
先々で目にするのは、ネネのせいで苦しむ人々の姿だった……。

そんな感じで物語が進んでゆく。

『ドラクエ3』ばりに簡素なタイトル画面からゲームを始めてみると、非常に細やかなグラフィックに感心した。
鳥山明のデザインのキャラクターが、『トイ・ストーリー』っぽい感じの CG で動いている。
さすが、金をかけて Xbox360 のマシンパワーを活用してるなと思わされる。
ただ、戦闘中は負荷がかかりすぎているのか、カクカクっと FPS が落ちているような感じがすることがよくあった。

戦闘はシンボルエンカウントで始まるのだが、直接シンボルにぶつかる以外に、ボタンを押して主人公の周りに円を表示して、円内の複数の敵をまとめて戦うか、個別に戦うか選ぶことができる。
まとめて戦った場合は戦闘中にステータスが上がるボーナスがあるし、敵の組み合わせによっては敵同士で潰しあいをしてくれる時がある。

本人に代わって戦う魔法の影には他の RPG で言うところの「職」があり、育成するとスキルを覚えていく。
しかし「転職」はいつでも自由で、魔法攻撃もできる剣士みたいな影とか、魔法攻撃も回復魔法も両方使える影とかを育成することもできる。
キャラ本人が自分の肉体で戦うわけではないので、「女の子キャラだから直接攻撃系は不向き」なんてことがないのは目新しかった。

魔法を使ったり力貯め攻撃をしたりするときには画面にゲージが現れて、どれくらい力を貯めるかプレイヤーが選べる。
そのゲージには敵味方のアイコンが表示され、どれくらい貯めたらそれぞれの行動の前後に行動できるかがわかるようになっている。
普通の戦闘画面でも敵味方それぞれの行動順がアイコンで表示されているので、「先にターンが回ってくる敵から先に攻撃してノーダメージで戦闘を終わらせよう」といった風に作戦を立てることができる。
残念なのは、敵味方それぞれ行動がいちいちアニメーション表示されるので、少し待たされること。
それでも『ドラクエ8』よりはマシだが。
戦闘の音楽がボーカル入りのロック調なのは新鮮だった。

主人公たちが中学生くらいの少年少女で、鳥山明デザインということもあって、低年齢層向けという雰囲気があるが、「そうび」「かいふく」といった風にコマンド名が平仮名だったり、会話の漢字に振り仮名をつけるかどうか設定できたりするのでその印象は間違っていない。
ストーリーもそこそこに教育的な感じ。
逆に年齢の高いプレイヤーは物足りなさを覚えることだろう。
「ドラクエ」同様の定番的な RPG を Xbox360 で発売して、キラータイトルにしよう、という意図が伝わってくる無難な作りだ。
グロや流血はないし、性表現はコロコロコミックレベルだし、子供にも安心して与えられるという点では悪くない作品だと思う。
ボリュームが結構あるので、廉価版や中古の価格を考えれば払ったお金の分は十分遊べる。

最も売れているハードウェアで発売するという方針からすればあり得ない仮定ではあるが、この作品のグラフィックのクオリティと戦闘システムを使って『ドラゴンクエスト』シリーズが製作されれば、Xbox360 や PS3 のマシンパワーについて一般人に与えるインパクトは大きいものがあるだろう。

本作の不満をあと一つ指摘するなら、DVD 3枚組なこと。
Xbox 360 はディスクの回転音がうるさいので本体 HDD にインストールしてプレイしたのだが、私の Xbox360 は初代で HDD 容量が小さいので、ディスク交換時期が来る度にいちいちディスクイメージを削除しては新しいのをインストールするのが面倒だった。
PS3 のように blu-ray Disc なら1枚で収まっただろうに。
CD-ROM 何枚組かで発売されていた初代プレイステーションや昔の PC ゲーム の時代をちょっと思い出してしまった。

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