SEGA THE BEST サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~
『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』はその名のとおり「サクラ大戦」シリーズの3作目で、2001年にドリームキャスト用ソフトとして発売された。
2005年にはプレイステーション2用に移植されている。
Windows 版も販売されているが、私がプレイしたのは近所で手に入れたプレイステーション2版。
ストーリー
今作も前作と引き続いて主人公は大神一郎で、時代も前作のすぐ後。
ただし舞台は東京ではなく、フランスの巴里(パリ)。
「帝国華撃団」で2度に渡って東京を救った功績を買われて、巴里に設立されていた「巴里華撃団」の隊長として大神が招聘された(日本海軍としては留学名目の派遣)という設定である。
「巴里華撃団」も「帝国華撃団」同様に偽装目的の副業を持っており、ムーラン・ルージュのようなキャバレー「 Les Chattes Noires 」(作中ではシャノワールと呼称)を運営している。
平時の隊員は踊り子として勤務しているが、有事の際は光武(霊力で動くモビルスーツみたいなもん)で敵と戦う。
敵はパリの先住民族パリシィの霊だか怨念だかが生んだ怪人である。
詳しいところは今となってはよく覚えてないが、後半に強大な敵が出てきたところで凱旋門が変形して兵器になったのには笑わせてもらった。
ゲームシステム
作中の各エピソードがアドベンチャーパートと戦闘パートに分かれていて、アドベンチャーパートで隊員の信頼度を上げつつストーリーが進行、戦闘パートでシミュレーション RPG 風に戦う。
信頼度が上がったキャラクターはそのエピソード内に限り、戦闘パートでのパラメータも上がって強くなる。
そして蓄積された信頼度の上位三名の隊員から副隊長を選び、その隊員と恋仲になってエンディングを迎える。
(今作に限って言えば主人公は隊員たちをフランスに残して日本に帰ってしまうので、恋仲というよりは現地妻を作るようなもんだが……。)
変更点としては戦闘パートが 3D化されていて、範囲攻撃が可能になった。
また、各ユニットの行動システムも改変された。
具体的に言うと、各ユニットに行動ゲージがあって、その行動ゲージ内なら1ターンで複数回行動が可能になった。
そして「風林火山」の各作戦ごとに各行動のゲージ消費量が変化するという仕組みになった。
戦闘マップ内からはマス目が撤廃され、移動の自由度が増している。
私はシリーズのうち本作までの3作品しかプレイしたことがないが、本作の戦闘が一番楽しかった。
アドベンチャーパートの方でも、選択肢を選ぶ際にゲージを上下させる仕組みが新たに追加されてたような覚えがある。
キャラクター
いわゆるギャルゲーに当たるジャンルの作品なのでヒロインキャラの魅力は重要である。
舞台が巴里に移ったため、ヒロインも総入れ替えになった。
人数は5人なので第一作・第二作よりも少ない。
前作までの隊員が日本人だけでないのと同様、本作の隊員もフランス人だけではない。
本作のヒロインキャラは以下の通り。
- エリカ:フランス人(メインヒロイン・アホの子担当)
- グリシーヌ:ノルマン系フランス人(ツンデレ貴族担当)
- コクリコ:ベトナム人(ロリ担当)
- ロベリア:ロマ(大人の女担当)
- 花火:日本人(大和撫子担当)
個人的には「3」までの三作の中でも最も好感のもてるキャラクター揃いである。
メインヒロインがギャグ要員というのは珍しい。
ロリ担当のコクリコが一番の常識人というのもよかった。
ファンには申し訳ないが、私はアイリス(前作までのロリ担当)を鬱陶しく思うタイプなので。
声優陣は平均年齢30代後半(発売当時)くらいのベテラン揃いなのでおっさん世代にもありがたい。
ヒロイン5人中3人が『らんま1/2』の主要キャラだし、敵役も入れれば天道3姉妹が全員出演していることになる。
しかしメインヒロインが日高のり子なため、イナズマキックを出したり努力と根性で敵を瞬殺するような気がしないでもなかった。
注目はロベリア役の井上喜久子女史。
洋画の吹き替え以外では脱力系天然ボケのお姉さん役が多いが、本作では悪党声での出演。
ファン歴20年の私でも一瞬本人と分からなかったくらい珍しいタイプの声色である。
さすが業界で長く生き残っているだけあって演技の幅が広い。
実年齢17歳を自称している頭のおかしいオバ……お姉さんと舐めてはいけません。
ちなみに本作と同様の声は『ひぐらしのなく頃に』の園崎茜役でも聞ける。
まあ声優は抜きにしても、ロベリアはギャルゲーでは珍しく男に媚びない破天荒なキャラクターなので新鮮かつ魅力的だった。
グラフィック・音楽
「1」と「2」は Windows 版でプレイしたので画質の向上云々は分からないが、キャラクターの立ち絵の描画範囲が画面全体まで大きくなったので臨場感が増した気がする。
そしてオープニングムービー部分のクオリティが異常に高い。
オープニングだけで億単位の金がかかっているという噂を読んだことがあるけど、いくら枚数が多くて CG を多用しているとはいえさすがにそれは怪しいと思う。
(参考として、 TV アニメの1話(23分)あたりの製作費は安くて700万円くらい、多くて4,000万円くらい)
でも確実に金をかけているわけで、当時のセガの看板タイトルだけあって力の入れようが見て取れる。
オープニングテーマ曲は「檄!帝国華撃団」ほどキャッチーではないが、戦闘中にインストで流れるとなかなか盛り上がる。
さすが田中公平。
オープニングには及ばないが、作中で挿入されるプリレンダリングの CG ムービーも秀逸だった。
総評
シリーズ最高傑作というファンの声も納得の出来。
しかしシリーズを通しての欠点だが、分岐エンディングを採用しているにも関わらず周回プレイが非常に面倒くさい。
既読メッセージのスキップが無いし、アドベンチャーパート部分でマップをウロウロしなければならず、戦闘も時間がかかる。
エンディングまで20時間程度とはいえ、面倒くささのおかげで私は今まで各作品1人分しかエンディングまでプレイしたことがない。
周回プレイを初めから諦めるか、「隊員は全員俺の嫁」と愛にあふれてプレイできるのであれば大過なく楽しめると思われる。
シリーズをプレイしたことがない人でもストーリーが分からなくなることはないが、前作までのキャラクターがゲスト出演してメインストーリーに絡んでくるので、前作までをプレイしておいた方が一層楽しめることは間違いない。
おまけ
オープニングに書かれているフランス語字幕を抽出・翻訳した記事。
あの字幕は見ればわかる通り、字が潰れてたり一瞬しか表示されなかったりブラックレターで読みにくかったりするから私はすぐに読むのを諦めたけど、解読した熱心なファンの力はすごい。

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