低所得者の多く住まう大阪市N区のとある町。
自転車で駆けていると、後ろからおっさんの「おい!」という大声が響いてきた。
何事かと振り返ると、自転車に乗ったおっさんが歩行者に文句をつけていた。
「道の真ん中を歩くんじゃねえよ!端に寄れ!自転車が真ん中を通るんだ!」
なぜか関東訛り。
食い詰めて関東方面から流れてきた御仁か。
そして微妙に正しいような、間違っているようなお言葉である。
まあ確かに、この辺の歩行者はあまり道の端を歩いてくれないのだが。
白ベースに刺繍入りのトレーナーという何とも素敵なファッションで決めたこのおっさん、仕舞には、
「俺は忙しいんだよ!せんずりして寝るんだよ!」
と、人間の生理的欲求のうち二つを声高に叫びつつ、歩行者を蹴散らすように走り去っていった。
強い。
これがこの町で生きていくということなのか。
マンションの入り口でタバコをふかしている、香港のカンフー映画に出てきそうなおばちゃんしか勝てそうな気がしなかった。
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