25 septembre 2009

『トップをねらえ2!』

久しぶりに『トップをねらえ!』を観て、何となく『トップをねらえ2!』を観たくなった。
『トップをねらえ2!』はその名のとおり SF アニメ『トップをねらえ!』の続編である。
前作から15年以上経過しているだけあってすっかり萌え系の絵柄になっており、とても同じシリーズとは思えず時代の流れを感じてしまう。
まあ、前作自体が1988年当時のオタクに迎合した企画で美樹本晴彦(っぽい)デザインなんだから、続編が絵柄を現代オタクの好みに合わせているのは責められるべきではない。

物語は「ノノリリ」という人物に憧れて宇宙パイロットを目指す少女ノノと、彼女がお姉さまと慕うことになる宇宙パイロットの少女ラルクが出会い、曲折を経て、人類を襲う危機に共に立ち向かうという筋立て。

ラルクは「トップレス」と呼ばれる超能力を持っており、「2」の世界ではバスターマシンはトップレスを持った者しか操れない、ということになっている。
超能力で動くバスターマシンシリーズは何故か番号が全てフランス語で、ラルクのバスターマシンは dix-neuf。
このように前作と絵柄だけでなく設定も丸っきり違ってて、第1話にして観る気がかなり失せてしまった。
ノノにしても、ワナビー馬鹿加減がどうも受け入れがたく、これまた観る気を損なう。
これが第4話、そして最終話である第6話において事情が明らかになり、ガラリと印象が変わる。
まさにこれは、ただのSFスポ根パロディだったはずが最終的に感動作に化けてしまった前作を彷彿させる。
そして第4話くらいで、シリーズ構成も前作の構成を転用していることに気づいて感心させられた。
もちろん最終話は前作同様、人類が種の存続を賭けて壮大かつ無茶苦茶な作戦を展開するとともに、戦い抜いた少女たちが観る者の心を揺さぶってくれる。
いや本当に、第1話では「このノノってヒロイン、鬱陶しいなあ」と思ってたのに、最終話である第6話のクライマックスになって、ノノが愛らしく、そして彼女の運命が切なく思えてしまうのだ。
第1話で、ノノがアルバイト先の飲食店で皿やフライパン、そして冷蔵庫まで割ってしまい「割るのだけは得意」と言っていたのが、実はクライマックスまで繋がる途方もない伏線になっていたのも微笑ましい。

絶賛しているように誤解されると困るので指摘しておくが、前作の敵が絶望的までに強大であり前作のバスターマシンが反則的までに強かったのに対し、「2」の敵は小規模でありバスターマシンが弱いのでどうしても劣って見える(ただし何故弱いのかは前作と密接に繋がる合理的理由がある)し、SF 設定や台詞回しが複雑化していて判りにくいという欠点もある。
前作を越える感動や感銘を与えてくれるわけでもない。
それでもやはり「2」は紛れもなく続編なのだ。
観終わったとき、必ずやその感慨を抱くはずである。

「2」を観る上で重要なのは、先に必ず前作を観ておくことだ。
でないと、ノノとラルク、その他の人物の台詞や行動、物語上の設定が意味するところを深く理解することができない。
それに、味わい深いラストシーンもさっぱりわけがわからないだろう。
次に重要なのは、全6話一気に観ることだ。
時間がなければ、少なくとも4話までは一気に観て欲しい。
というのは、そうしないと序盤で「前作と全然違う別物じゃないか」と早合点してしまい、真価を測りかねるからだ。
DVD をレンタル店から借りてくるなら全巻一気に借りるべきだろう。

そういえば、ノノ役の福井裕佳梨という名前にどことなく覚えがあったので調べてみたら、『想い出にかわる君』のヒロイン役を演じていた人だった。
「2」では真っ当な萌えボイスで、棒読みとも素人とも思える『想い出にかわる君』での声とはまるで別人だ。
ということは、演技がもともと下手なのではなくて、サバサバした少女役を務めるには声質が合っていなかったというところなのかもしれない。
『想い出にかわる君』ではキャスティングの失敗としか言えないが、『2』のノノ役は悪くない。
もちろん、演技力について前作でヒロインを演じた日高のり子と比べるのはさすがに酷というものだろう。
ノノがたどたどしい喋り方が却って味になるキャラクターであることに助けられている。

ノリコといえば、酒井法子が覚醒剤の所持やら使用やらをして逮捕され、マスコミ報道が過熱したが、前作のオープニングテーマソングを歌っているのも酒井法子だ。
(主人公タカヤノリコ、その声優日高のり子、主題歌の歌手酒井法子の「三人のノリコ」がいる。)
視聴に際して少々の屈託が否めなくなってしまったのは残念なところである。

『2』には前作とともに再編集して劇場公開された「合体劇場版」もある。
予告編を観ると、田中公平による音楽の効果の偉大さを改めて感じずには居られない。

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