30 avril 2009

『戦場のヴァルキュリア』

戦場のヴァルキュリア PLATSTATION 3 the Best
戦場のヴァルキュリア PLATSTATION 3 the Best

2009年の正月は SEGA の PLAYSTATION3 用ゲームソフト『戦場のヴァルキュリア』をプレイして過ごした。

本作は架空のヨーロッパの架空の第二次世界大戦を題材にしており、シミュレーション RPG とリアルタイム3Dアクションを融合させたような構成になっている。

いろいろ説明する前に、先に PV を観た方がわかりやすいと思う。


ヨーロッパの西半分を占める連邦、東半分を占める帝国という二大国家に挟まれた小国、ガリア公国が作品の舞台。
主人公ウェルキンは救国の英雄ギュンター将軍の息子だが、大学で生物学を学ぶ温厚な青年だった。
しかし帰郷の折、帝国による侵攻に遭遇。
地元の自警団の隊長を務める少女、アリシアとともに、父の残した戦車を使って街を脱出することになる。
国民皆兵であるガリア公国の義勇軍第7小隊長として召集されたウェルキンは、戦車を駆って小隊を指揮しつつ、国土解放を目指して戦いを重ねていく。

ゲーム展開は、従軍記者が戦後に記した「ガリア戦線記」という書物を読み進めるという構成。
章の選択可能部分を選ぶと、対応した映像がリアルタイムレンダリングによって再生される。
グラフィックはアニメ調であるうえに、陰影部分は鉛筆で書いたかのような斜線が入り、さらに水彩で色づけしたかのようにわずかに色がはみ出るという処理がなされており、戦争を題材にした作品でありながら、血なまぐささを感じさせるどころか、温かみさえ感じさせる。

章の戦闘ミッションの部分を選ぶと、戦闘ミッション開始。
各ミッションに設定された条件を満たせばクリアできる。
その条件とは、特定の拠点を占拠するとか、特定の相手ユニットを撃破するとかというもの。
戦闘はターン制になっていて、自軍ユニットを動かしたり、ステータスアップが図れる特殊命令を発動したりするごとにポイントが減少し、ポイントがゼロになると相手にターンが移る。
ユニットを動かしている間はリアルタイムに戦闘が進行し相手からの攻撃を食らうが、ユニットが銃口を構えている間は相手の攻撃が止まるので、ゆっくり照準をセットできる。
この点、アクションがあまり得意ではない私のようなプレイヤーには嬉しい。
各ユニットには弱点があり、歩兵なら頭部、戦車なら尾部のラジエーター部分が弱点。
ユニットの種類は偵察兵、突撃兵、対戦車兵、支援兵、狙撃兵、戦車である。
現実の第二次世界大戦とは違って、この作品でのヨーロッパでは飛行機がまだ実用化されていないという設定になっている。
より少ないターンでクリアすればするほど戦闘評価が高くなり、対価として貰える経験値やお金も多くなる。
この経験値を使うと戦闘の合間に兵隊のレベルを上げてステータスアップを図ったり、ウェルキンに新たな特殊命令を習得させることができる。
お金を使うと、兵装を強化できたり、従軍記者から追加ミッションを購入することができる。

牧歌的なグラフィックとは裏腹に、戦闘ミッションは結構ハードだ。
この手のゲームを好んでプレイする人でも歯ごたえがあるはず。
主人公のウェルキンやヒロインのアリシアが死ぬと自動的にゲームオーバーになるが、義勇軍の他のメンバーは戦死するとそれっきりである。
一応ライフが0になっても即死はせず、自軍ユニットが接触すれば衛生兵が後方送りにしてくれるのだが、それまでに敵ユニットに触れられれば即死である。
私は一人も戦死させないという縛りをかけてプレイしたので、何度リセットしたことか。
正面から火力でゴリ押しすることはできないので、ユニットの特徴を掴み、戦線の穴を作ったり敵の拠点を段階を踏んで占拠したりしてミッションを進める必要がある。
いかにして効率よく自軍ユニットを動かすか、いろんな方法を考えることができて頭を使うはず。
ミッションの数は20くらいあるが、メインのストーリーには絡まず何度でもプレイできる遊撃戦闘というモードがあり、この遊撃戦闘で経験値やお金を溜めることができる。
遊撃戦闘に限っては難易度も選択できるので、腕の悪い人には救いになる。

ストーリーには現実の石炭・石油に代わる鉱物資源として、ラグナイトという架空の物質が登場し、古代文明を築いたヴァルキュリア人といったファンタジー要素も絡んでくる。
ストーリーの伏線はバレバレで、仲間が裏切ったり、仲間が死んだり、主人公とヒロインのラブロマンスが生まれたり、現実のユダヤ人弾圧に倣った人種差別問題も絡んだりと展開がベタベタだが許せる範囲内。
面白いのはストーリーには絡まない義勇軍の一般ユニットキャラクターにも一人一人詳細な設定と個性付けがされていることで、その個性が戦闘中に時々発動する。
例えば、男嫌いなので近くに男性ユニットが居ると能力がダウンしたり、街育ちなので石畳の上だと能力がアップしたりという具合。
また、一般ユニットキャラクターを活躍させてエンディングを迎えると、ゲーム内の人物辞典が更新されてそのキャラクターの戦後の足取りを知ることができる。
キャラクターに対する愛着が増す、小憎い演出だ。
隊には人数枠があり、一度に全てのキャラクターの「その後」を知ることはできないので、全員分を知ろうと思えば当然周回プレイを行うことになる。

2周目は、1周目のレベルと兵装を引き継いでプレイできるので、格段に楽。
腕によって変わってくるが、大体の目安として、1周プレイが30時間程度。
全ミッションSランク評価を目指してプレイして、私の場合2周で57時間程度かかった。
それでもまだ遊撃戦闘で全てのSランクを取れていないし、戦績に応じて授与される勲章も全てを集めることはできていない。
やりこみ要素も充分用意された作品だ。

戦争ゲームだけに音響面でも力が入っていて、Dolby Digital 5.1ch だけではなく DTS 5.1ch に加えてリニア PCM 5.1ch でも音声を収録。
対応している音響システムを所有していれば、より臨場感が増すはずだ。

この作品のためだけに PLAYSTATION3 を買うべきかというと、少し返答に躊躇してしまうが、既に PLAYSTATION 3 を持っている人なら、間違いなく「買い」。
廉価版が発売されて更に入手しやすくなったのは喜ばしい。

海外の有力レビューサイトでも、軒並み10点中8点から9点と、かなり高く評価されているが、残念なことに有名大作とリリースが被ってしまい、売上げは芳しくなかったようだ。

4月からは大阪だと MBS で土曜深夜にアニメ版が放映されているらしいが、未見。
低予算だろうし原作がベタベタなストーリーだからアニメ版の出来は期待薄だけど、アニメだけ観て原作ゲームがつまらないと思われるのだけは嫌だなと思う。

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コメント(8)

「ファイアーエムブレム」と「パワードールズ」を合わせたようなシステムですね。味方を一人も戦死(または撃破)させない縛りプレイがセオリーなのは、いずれにも共通。

『パワードール』って、ありましたねえ、そんな作品。
ユニットの実際の戦闘が TPS になってるのが両者との大きな違いですね。
FC 版の FE では早々に放り出してしまった私でも『戦場のヴァルキュリア』はクリアできました。
味方を一人も戦死させずにプレイしてても、ストーリーの都合上、一番死なせたくないキャラクターが死んでしまうのが切ないです。
「悲しいけどこれ戦争なのよね」。

FEは、FC版が、SFCの「トラキア776」を除いて、いちばん難しいですからね。要は、第一作なのでバランスがこなれてなかったということでしょうけど。
「パワードールズ」は、2ダッシュの2つめのシナリオが難しすぎて挫折しましたが、1も2も面白かった。今、工画堂のwebページを見たら、知らないうちに6まで出てた。

FE 版が一番難しかったのか……DS 版では調整されてるのかな。
web の評判を見ると、パワードールシリーズは『 POWER DOLLS 6 』で3D化してこけたみたいですね。
5年間新作が出てないし。

そうか…。3D化してこけたのか…。
PCの2D時代の名作が歩みがちな道かも。
工画堂のwebページ見たら、「パワードールズ1」がリメイクなのか、グラフィックのリファインだけなのかわかりませんけど、Win対応版が出たみたいですね。
当時のままのシステム、バランスで、今やっても面白いと思うので、グラフィックのリファインだけに留めてほしいものですが。
FEは、まだDSでは出てないはず。SFCで出たFC版のリメイク(+同じボリュームの追加シナリオ)の「紋章の謎」は、難度が下がっていて、拍子抜けしました。SFC2作目「聖戦の系譜」も同じぐらい。といっても、ここまでは初心者には難しいかも。そして、SFC3作目の「トラキア776」は超絶難度らしい。
その後、GBAの3作とWiiの2作は、初心者への配慮もあり、難度は下げ気味。
これ、こんなに引っ張るほどの話題じゃないですけど、FE、パワードールズとなるとつい熱く…。

Win 用 『 POWER DOLLS1 』単独で買えないかなあ、1500円くらいで。
中古とかで6を一緒に買うのは、ちょっと。
FE は2008年に出た11作目(DS版)が、FC 版のリメイクらしいですけど……。

お気に入りのゲームシリーズって、作を重ねるごとに変質していく例もありますが、幸せでもありますね。
『戦場のヴァルキュリア2』はストーリー的にもマーケティング的にも出そうにないし。

あ、そういえば初代FE、DSでリメイク版出てましたね。
確か、初心者向けにアレンジされてるほか、後のシリーズでは標準になった武器、魔法の相性(3すくみ)が導入されたとか…だったような。
『戦場のヴァルキュリア』のような、ストーリーに気合い入れて作りました、っていう感じのゲームは、安易にシリーズ化しない方がいいような気もしますけどね。

そういえば、Win用「パワードールズ1」のパッケージ版には、PC-98版のエミュレートが特典で付いてるみたいですね。しかし、高いな…パッケージ版。

ふむ、買うだけ買っておいて2年近く未開封の DS を開封する時か……。
バッテリーが放電しすぎて死んでるかな。
『戦場のヴァルキュリア』はストーリー上『サクラ大戦』みたいに「新たな敵が」とか「支部に転勤」とかいうパターンが使えないですから、難しいですね。
描画システムと戦闘システムは素晴らしいので、転用して何か作品を作らないかな、と思います。

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