11月3日は文化の日。
というわけで世界遺産、高野山を訪ねた。
本当は避暑がてら、夏の盛りに訪ねたかったのだけど延び延びになって秋になってしまった。
3連休だったり秋の行楽シーズンだったりで、南海電鉄の高野山方面行き特急「こうや」は早くから予約で埋まっていて、行きの指定席は取れたものの帰りは結局取れず。
小さい頃はコロタン文庫の電車大百科で「こうや」の写真をよく眺めたものだ。
今では車両が代替わりしてしまったけど、20年越しの夢が叶った。
長生きはするものです。
高野山までは直線距離の割に時間がかかる。
それというのも橋本からはひたすら急勾配を登っていくからだ。
席が一両目だったので前方の景色が見える。
おかげで勾配のきつさがよく伺える。
これは電車じゃないと登れない勾配だ。
(鉄道は急勾配が苦手なので、昔から登山鉄道は機関車ではなく電車が走っていた)

極楽橋駅で「こうや」とお別れ。
ケーブルカーに乗り換える。
寒い。
下界は秋の割に気温が高めで、長袖シャツ一枚の人もいるくらいだけどここでは上着がないと凍えてしまう。
満員のケーブルカーに乗り込んで、高野山駅に到着。
寺院の立ち並ぶ区域に行くには、ここからさらにバスに乗り換える。

とりあえず時間のかかりそうな奥のほうから行こうと、奥の院への参道の入口である一の橋前で降りる。

高い杉の木立で薄暗い参道の両側には墓所がひしめいて、これぞ高野山という厳かな空間。
墓所は有名な戦国武将や大企業の創業者一族のものがそこかしこに見られるので退屈しない。

薩摩の島津家。

石田三成の墓所。

明智光秀の墓所。
あと、やたら目に付くのが太平洋戦争で南方戦線に向かった部隊の戦没者の合同墓だ。
少し離れたところには戦犯として処刑された人々の慰霊碑もある。
もう靖国神社とか国立戦没者慰霊施設とかややこしいことはやめてここに集めとけばいいんじゃないのという気がする。
奥の院に到着すると、暖房の入った休憩所があって、無料で温かいお茶を飲める。
冷えた体にはありがたいサービスだ。
ただし、お茶を掬うのも飲み終わった後茶碗を洗うのも自分でしなくてはいけない。
このお茶は年季の入った茶釜で沸かされている。
福助の意匠があしらわれた可愛い茶釜だった。

ここには仏像が立ち並んでいて、来訪者は熱心に水をかけている。
なぜ水をかけるのかはよく判らない。
こう寒いと、冷たい水をかけるのはかえって仏罰が下りそうな気がする。
この左手は灯篭堂という大きいお堂に続き、さらにその奥に空海の墓があるのだがその方面は撮影禁止だ。
奥の院を出て、中の橋からバスに乗り苅萱堂へ。
苅萱堂を見物してから昼食とする。
今回は「高野山1dayチケット」を利用したので、割引特典のある懐石料理の店に行ってみた。
ランチで2000円以上するようなところなのだが大混雑。
30分待たされる。
懐石料理だから量も少なく食べ応えがない。
出家したらすぐ痩せそうだ。
食い足りないので、道端で焼き栗を作って売っている店を発見するや買って貪り食う。
天津甘栗はあまり好きではないけれど、ここで売ってたのは和栗なので、粒が大きくちょっとほこほこ感がありうまい。


徒歩で金剛峰寺に到着。
改修中なので見苦しい。
中に入り、買ったばかりの朱印帳に朱印をいただく。
ちなみにここでは寺側から拝観料とは別に料金を請求される。
中は昔の偉い人が滞在したという部屋があって、襖絵や欄間などがお見事。
台所も一般公開されている。

かなり広い石庭もある。
続きの離れには空海の一生を描いた襖絵の部屋が連続している。
この建物は新しそうだし最近描かれたものっぽい。
ありがたみには欠ける。
さらに奥は拝観者と信者のための休憩所・集会所になっていて、無料でお茶菓子が提供される。
出された菓子というのは、ちょっと糖蜜を挟んだウエハース風の煎餅。
なかなか旨い。
一応お土産として買って帰れるけど、買うには高いのでやめた。
ちなみに、この離れには障害者用トイレがある。
寺には不釣合いなのでちょっとびっくり。



金剛峰寺の周辺は大きいお堂が集中している。
いちいち拝観料が必要だ。

帰りの客でバス停が混雑していたので、余裕をもって早めに高野山駅に戻る。
高野山駅は霊山にふさわしい、歴史を感じさせる渋い駅舎だ。

駅の脇にシャコタンならぬシャコチョウ?なマイクロバスを発見。
写真ではちょっと判りづらいか。
冬季の降雪時のために車高を上げてあると推察。

南海の駅は主要駅を除くと概ね整備が遅れていてボロいけど、高野山駅はボロいのがよく似合う。


ケーブルカーが到着、高野山ともお別れだ。
極楽橋からは普通列車で橋本まで行き、橋本で特急「りんかん」に乗り換えて大阪に帰った。
あとは「ラピート」に乗れば南海の特急は全部制覇することになる。
果たしてその日はいつ来るのやら。
また20年後だったりして。
コメントする