10 décembre 2006

2006年に読んだマンガ 2006.12.10

山川直人『コーヒーもう一杯』(第1巻-第2巻、ビームコミックス)

ISBN:4757723024
ISBN:4757727305

コーヒー豆を買ってきてコーヒーを淹れる習慣ができた私がタイミングよく出会った一作。
市井の人々のエピソードの中にコーヒーがある。
コーヒーのようにほろ苦く、コーヒーのように香りたち、コーヒーのように温かい連作短編集。
絵は全て手書きでかっちりと書き込まれていて、スクリーントーンは使われていない。
デフォルメされたキャラクターや記号は今時珍しく懐かしいタッチ。
木版画のようでもあり、コミカルで温かみがある。
昔読んだ永島慎二の『フーテン』を思いだした。

外薗昌也:作、別天荒人:画『ガールフレンド』(第1巻、ヤングジャンプ・コミックス)

ISBN:4088766237

外薗昌也が原作やってるやん、ということで買ってみた。
1エピソード完結の短編集だ。
シリアスな学園ラブストーリーを描こうとしているけど、どうにも居心地の悪さを感じる。
童貞的、オタク的妄想が拭いきれてなくて痛々しいというか気恥ずかしいというか。
あとがきを読むと外薗昌也にも自覚があるみたい。
成長して『 BOYS BE... 』に物足りなくなった人向けか。
ヤングジャンプがターゲットとしている読者層の需要にはマッチしているんじゃないかな。
別天荒人の描く女の子は爽やかさのなかにちょっと色気があってなかなか可愛い。

平野博寿『ガールガールボールシュートガール』(第1巻-第2巻、ヤンマガ KC)

ISBN:4063613801
ISBN:4063614786

珍しい女子サッカーものマンガ。
女子高校のサッカー同好会で細々と活動していた主人公、香織の前に、梅澤という寡黙なクール・ビューティーが現れる。
天才的なサッカー技術を身に着けている梅澤を部に招き入れ、ついに11人揃ったサッカー同好会。
サッカー部を設立し大会に出場することを目指して男子サッカー部に交流試合を申し込む。
梅澤を中心に実力を見せつけサッカー部設立を認められた彼女たちだったが、女子サッカーの強豪選手たちがその前に立ちはだかる……。

掲載雑誌がヤングマガジンということもあってキャラクターはみな美少女ぞろいで巨乳ぞろい。
無駄に胸や太ももや下着を見せる描写が多いのもやり過ぎの感が否めない。
だけど本筋のストーリーはなかなか熱い。
現実感はないけど、マンガと割り切れば楽しめる。

青木和雄・吉富多美:原作、オ・スギル:画『コミック ハッピーバースデー』(上下巻、金の星社)

ISBN:4323070667
ISBN:4323070675

児童書として書かれ文芸書版、アニメ版もあるベストセラー『ハッピーバースデー』のマンガ版。
原作は未読。

ストーリーは児童虐待といじめをテーマにしたもの。
11歳の誕生日に母親から「生まなきゃよかった」と言われたことをきっかけに、主人公の少女あすかは声が出なくなってしまう。
あすかと違い両親の期待を受けていた兄は当初あすかをバカにしていたが、あすかが心を閉ざして廃人同然になってもなお彼女を邪険に扱う母親の態度を見て失望。
田舎に住む祖父母のもとにあすかを預けることにする。
祖父母の愛情と自然に包まれて、あすかは心を開くようになり声と元気を取り戻す(上巻)。

学校に復帰したあすかだったが、クラスではいじめがはびこっていて、担任教諭もいじめに加担しているような有様だった。
あすかはいじめに立ち向かい、養護学校の少女との出会いと別れを通じて成長していく。
自分と正面から向き合い反抗する子供たちの姿を見て、あすかの両親も自分の非を受け入れるようになる。
12歳の誕生日、あすかは皆から祝福を受けるのだった(下巻)。

というわけでいかにも感動的なストーリーなわけだけどマンガとしての出来はよくない。
長い台詞が詰め込まれて説明的・演説的になってしまう場面が多く、読んでていちいちひっかかってしまう。
ページの制約がきつかったのかもしれない。
編集者はマンガ編集のプロではないように見受けられる。
マンガ雑誌の編集者ならネームを見てすぐ手直しさせるだろう。
長台詞の洪水の中で「みんないい人」になってしまう強引な展開には押し付けがましさと胡散臭さを感じてしまい、素直に受け入れられない。
マンガを担当しているのは韓国人だが、絵に若干の固さを感じるものの日本マンガの技術をしっかり自分のものにしている。
あすかのキャラクターデザインにもそこそこの「萌え」がある。
横書き(洋綴じ)マンガである点には違和感があるかもしれない。

ところで、上巻の帯には「100万人が泣いた」とあり下巻の帯には「120万人を泣かせ、癒した」とある。
上下巻の刊行は1ヶ月しか空いてないのに増えすぎ。
そんなに売れたんかなあ。

前の記事:「近つ飛鳥観光

次の記事:「2006年に読んだマンガ 2006.12.11

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://meta-metaphysica.net/mt/mt-tb.cgi/306

コメントする

プロフィール

空疎な中身のまま、サイト運営10年経過。

文学部出身ですが文学は苦手です。

Twitter

twitter.com/nemuribito/

過去の記事