切ない映画ややるせない映画や考えさせられる映画ばかり観てるので、頭を使わなくてもいいバカバカしい映画も観とこう、というのでロードショウ作品リストを眺めていたところ、目を付けたのが『ピンクパンサー』。
かつてのヒット作のリメイクですな。
私は元祖を観たことはないけど。
舞台はフランス。
あるスタジアムで、フランス対中国のサッカーの国際試合が行われていた。
試合はサドンデスによりフランスが勝利。
スタジアムが歓喜に沸く中、フランスチームのコーチが毒矢に刺されて死んでしまう。
おまけに彼が身につけていた筈の巨大な宝石の指輪「ピンクパンサー」が彼の指から消えうせてしまっていた。
フランス警察のドレフュス警視は、田舎で働いていたドジで間抜けな警官、クルーゾーを警部に昇進させ捜査に当たらせる。
無能な警部に事件の捜査を担当させ、マスコミが警部に振り回されている間に自分が事件を解決しようというのだ。
ドレフュス警視の目論見も知らず、勘違いしたクルーゾー警部は張り切って捜査を開始。
行く先々で騒動を巻き起こすが、ドタバタの果てに見事に事件を解決してしまう……というストーリーだ。
2、3分に1回かという頻度でクルーゾー警部は間抜けな行動を繰り出してくる。
「ああ、ここでギャグが出るな」と見え見えで失笑してしまうが、次第に流れに身を任せてバカバカしさの川に流されていく。
クルーゾー警部の助手となる刑事、実はドレフュス警視によって宛がわれた監視役……という役どころを演じるのはジャン・レノ(髭なし)。
クルーゾー警部の行動に接して呆れ顔を連発するのもレアだが、クライマックス付近でクルーゾー警部に付き合わされて全身タイツで登場の上、奇妙な踊りを踊る姿はレアな上に爆笑必至。
いやもう、「ちょいワルオヤジ」なんて言ってる場合じゃないですよ。
広末涼子が安来節を踊るくらいあり得ない。
あり得ないと言えば、事件の種明かしもあり得ない。
誰がどうやって被害者を殺し、「ピンクパンサー」を盗んだのか、というミステリーもストーリーの要素であるわけだが、謎解きに至るプロセスがすさまじい。
コメディ映画だから出来る力技で、驚きと同時に笑いも起こる。
真面目なミステリー作品なら糾弾されるだろうけど、コメディ映画であれば優れたシナリオといえるだろうと思います。
現実に即して深く考えたら観客の負けだし、どんなご都合主義だって許してもらえるから。
映画館でこんだけ笑ったのは『少林サッカー』以来かな。
一日で映画三本観て三本とも当たり、という稀有な経験でありました。
コメントする