9 juin 2006

『嫌われ松子の一生』を観た

日本映画もやりゃできるやん、というのが『嫌われ松子の一生』を観終わっての一言。

福岡を出て、東京で一人暮らしをしている青年の元に、父親が訪ねてくる。
30年間失踪していた伯母、川尻松子が殺され、荼毘に付されたというのだ。
父親に命じられて青年は荒れ果てた伯母のアパートの掃除をする。
訪ねてきた警察官の話では、松子は学校の教師だったという。
そこから映画は松子の人生をたどり始める。
川尻松子、昭和22年生まれ。
修学旅行先で旅館の金が盗まれた事件をきっかけに、松子の人生は転落していった。
教職を辞し、遁走。
同棲していた男には日常的に暴力を振るわれ、その挙句自殺される。
妻子ある男と不倫関係になるもつかの間、捨てられる。
トルコ嬢となり店の稼ぎ頭になるが落ち目に。
貢いだ男に捨てられ彼を刺殺。
玉川上水で自殺しようとしていたところ理髪店の主人に声をかけられ意気投合、彼と家庭を持つ決心をするが逮捕され服役、出所すると彼は別の女性と家庭を築いていた。
ヤクザになっていたかつての教え子と再会し同棲を始めるが、組の金を使い込んだ彼は組に命を狙われ挙句に収監される。
出所を待ち続けるが出所した彼は松子を拒絶し逃走。
といった感じで、ひたすら愛を求めながらも報われない人生が描かれていく。

ストーリーだけ辿れば、湿っぽくて悲惨。
しかし画面がチープでキッチュな CG やエフェクトで鮮やかに彩られるとともに、時にミュージカル風に歌あり踊りありでテンポよく展開する。
コメディチックな演出により、しばしば笑いの起こる娯楽作品に仕立て上げられている。
のみならず、一人の聖女の物語として、しんみりともさせられるのだ。

私は原作の小説を読んでいないが、原作を読んだお連れ様の話によると、原作はもっと暗くて「光 GENJI 」のエピソードもないのだとか。
映画は娯楽よりにシフトしているらしい。
映画を観る限りではその試みは成功しているように思う。
空撮も使われていて制作費用はそれなりにかかっていそうだが、客の入りは良好、反応もよし。
十分回収できるのではないだろうか。

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