『ナルニア国物語』といえば児童向けファンタジーの古典的作品。
その割に影が薄いというか、地味というか。
原作本の表題に『ナルニア国物語』と入っていないせいか、私が『ナルニア国物語』の名を知ったのは二十歳を越えてから。
とはいえ、今まで映画化されていない大作の映画化、ということで早速映画館に足を運んだ。
『ライオンと魔女』は『ナルニア国物語』シリーズ全7作の第1作目。
原作本(岩波少年文庫版)は既読なので、原作と対比しながら映画を観る形になった。
物語の進行は、大まかには原作に忠実だ。
男2人、女2人の4人兄弟姉妹の子供たちが疎開のために田舎の邸宅に引き取られる。
その邸宅の1室に置かれたタンスの奥は、動物たちが言葉を話し豊かな自然が広がる国ナルニアと繋がっていた。
しかしナルニアは女王を自称する魔女に征服され、100年間も冬が続いている有様。
4人はナルニアに入り込み、ライオンの姿をしたナルニアの真の王アスランと合流して魔女を倒すため戦う。
最初に気になったのは、主人公の4人に華がないこと。
美少年、美少女じゃなくて、野暮ったい普通の少年少女といった感じ。
はっきり言ってしまえば不細工。
しかしそれも物語が佳境に入ってくると、引き締まって格好よく見えてくる。
子供の成長物語って側面から見れば、これも悪くないかもしれない。
ターゲットである子供の観客にとっても感情移入しやすいだろう。
顔こそ地味だが演技力は大したもので、末っ子のルーシー役の子なんか特に「映画で動いてこそなんぼ」な可愛さを見せてくれる。
見所としてはやはり、ディズニーの豊富な資金が注ぎ込まれた CG だ。
予告編で既に観てるにも関わらず、アスランが登場したシーンでは「キター!」と内心で喝采。
その他の動物たちも全く違和感ない。
いやはや技術の進歩って奴はすごいものですな。
魔女軍とアスラン軍との合戦シーンも、近年の歴史もの大作映画みたく俯瞰がバリバリ使われていて迫力がある。
このへんは映画館のスクリーンで観てこそ。
ただ、長兄のピーターが魔女の配下のオオカミを倒すシーンや、魔女が倒されるシーンがあっけない。
子供向けってことで流血を描けないという事情からなんだろうけど、ちょっと物足りなさを感じた。
原作をそのままなぞっているので、原作を読んでない人にはアスランが登場するところまでがまどろっこしく感じるかもしれない。
勧善懲悪でベタでご都合主義的な物語展開も不満が出そうだ。
しかし子供の頃に原作に親しんだ人には、概ね違和感なく受け入れられるのではないだろうか。
原作との差異ということで気になったのは三つほど。
魔女の追っ手を避けるためにビーバー夫婦とともに逃げ込んだ穴倉で食事を取るシーンが原作で印象的だったので、映画でそこが改変されていたのは残念。
穴倉から出てサンタクロースに出会うシーンは形を変えて再現されているけれど、最初にパッと見てその爺さんがサンタクロースだとは分からなかった。
何せ赤い帽子も赤い上着も着ていない。
「サンタは本当にいるのよ」というルーシーの台詞で説明されるので、原作を読んでなくても一応分かるようにはなっている。
しかしサンタクロース=赤というコカ・コーラ社発祥のイメージがこうも深く刻み付けられているのかと、正直言ってショックを受けた。
どんな傷でも治してしまう薬でエドモントを助けたルーシーに、「兄にばかりかまけてないでほかの連中も早く助けてやれ」といった趣旨のことを言って諭したアスランの台詞が削除されていたのも気になった。
映画版ではルーシーが自主的に助けて回ろうとするところで場面転換するので、インパクトが弱い。
作者が教育的な意味を込めた場面だと思うんだけどなあ。
ラストシーンも原作とそっくりそのままというわけではなかったけれど、短いながらも絶妙な会話でうまくまとめたと思う。
最後に一つだけ注意。
エンドロールが始まったからといって席を立ってはいけない。
途中で短いエピローグが入ります。
ハウステンボスのクリスマスショーに登場する、サンタクロースは、名前もセント・ニコラスと言い、白い衣装で登場します。白い衣装で登場したとき、コカ・コーラのイメージの前のサンタクロースってこんなんだったのかと思った記憶があります。
おかげで今、私の中のサンタのイメージはセント・ニコラスの白い衣装なので、この映画見てもちゃんとサンタって気づくかも(笑)
なるほど。
侮れませんな、ハウステンボス。
しかしそれはそれで、映画のドッキリ的な部分が味わえないかもしれません。
フフフ。
この話は知らなかったけど、なんかこのブログ読んだ限りでは面白そうですねー。
童心を思い出して観るならハズレじゃないと思います。
イギリスで石を投げれば『ナルニア』を子供の頃に読んだ人間に当たる(ほんまかいな)って言われるくらい知られた作品ですしね。