最近ワゴンセールでクラシック映画の DVD が1本500円で売られているのを目にする。
その中に、以前から「観なきゃなあ」と思っていた『市民ケーン』( CITIZEN KANE )があった。
もともとアイ・ヴィー・シーから発売されていたものを買おうかと思っていたのだが、「画質が悪い」との評判だったので買うのを躊躇していた。
まあ500円なら画質が悪くてもいいか、と思い購入したのだった。
『市民ケーン』というと、映画評論家に名作映画を100本挙げろと言えば必ずその中に挙げられるに違いない映画である。
1941年の作品で、監督・脚本・主演をすべてオーソン・ウエルズが務めている。
作品の内容は、アメリカの新聞王ケーンという架空の人物の生涯を描いたもの。
ケーンは世界恐慌をきっかけに没落し、荒廃した邸宅で「バラのつぼみ」という言葉を残して世を去る。
「バラのつぼみ」の謎を解くため、一人の新聞記者がケーンの過去を知る人々のもとを訪ねていく。
そこで幼少期、青年期、中年期、老年期それぞれのケーンの姿がフラッシュバックして、再現ドラマ風に描かれることになる。
現代映画に慣れてしまったせいかもしれないが、私個人は手放しに名画だと賞賛する気にはなれなかった。
部分的には興味深いところはあったのだが、90分くらいで退屈になってしまい一旦再生をストップしてしまった。
印象深かったのは、まず、ケーンの最初の結婚生活が描かれるところ。
食卓のケーンと妻を対比的に捉えたショットが次々と切り替わっていき、二人の関係が冷めていくのを表現したシーンだ。
次にオペラの上映シーン。
舞台の高さからカメラがどんどん上昇して天井裏のスタッフの地点まで至り、そこでスタッフが女優の演技に嫌悪を示して自らの鼻をつまむというところ。
ともに映画技術の教科書に出てきそうな、映像的インパクトのあるシーンだったと思う。
ケーンの青年期から老年期に至るまで一人で演じきったオーソン・ウエルズのメーキャップと演技も見所だろう。
この DVD で残念なのは、やはり画質がよくないことだ。
ケーンの邸宅が映し出される冒頭の導入部は全体的に黒く潰れてて看板に書かれた文字が良く見えない。
最後の「バラのつぼみ」の種明かしも、日本語字幕がなかったら判りづらい。
その日本語字幕も DVD の字幕機能ではなくて、マスターに直接つけられた字幕。
しかも劇場での上映用の、あの独特の字体だ。
クラシック映画の雰囲気を盛り立てていると言えなくもないが、やはり読みづらい。
500円だから仕方ない、と割り切るしかないだろう。

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