15 octobre 2005

『想い出にかわる君 ~ Memories Off ~』をプレイした

SuperLite 2000シリーズ アドベンチャー 想い出にかわる君 ~Memories Off~

「棚に積まれたゲームソフトをどんどん消化しようキャンペーン」を世の絶賛を受けることもなく行っている私。
新たに『想い出にかわる君 ~ Memories Off ~』をクリアした。

『想い出にかわる君 ~ Memories Off ~』は恋愛アドベンチャーゲーム『 Memories Off 』シリーズの第3作で、2002年に発売された作品。

物語の時代設定は『 Memories Off 』( 1st )の約2年後、『 Memories Off 2nd 』の約1年後で、前の2作と同じ鉄道沿線にある街を舞台としている。
また、前の2作の登場人物が脇役として数名登場し、時に物語の展開に重要な役割を果たしている。

物語の主人公である青年、加賀正午は、大学入学後1人暮らしを始めたが講義にはほとんど出ず、アルバイトもせず行きつけのカフェに入り浸る毎日を送っている。
そのカフェで彼はかつて付き合っていた女性、黒須カナタと再会を果たす。
カナタは高校生だった3年前、正午に何も語らないまま突然転校し、連絡を絶っていたのだ。
カナタのことをまだ少し引きずっている正午に対して、カナタの方は何事もなかったかのように振舞い、その後カフェや街頭で幾度となく顔をあわせるようになる。

シナリオはプレイヤーの選択によって途中から大まかに3つに分かれる。
もちろんこの手のゲームのお約束で、登場する女性キャラクターと恋仲になることがゲーム進行上よい結末ということになる。
対象となる女性キャラクターは、街頭で出会う少女が2名、大学で出会う女性が2名、カフェで出会う少女が2名。
それぞれのルートにおいて、2名が正午を巡って対立する。
平たく言えば嫉妬と奪い合いだ。
そこで彼女らがそれぞれ抑圧している「対人関係」、「親子関係」、「姉妹関係」の問題(順は上記に同じ)が表面化してくる。
正午が対応を誤ると目当ての女性キャラクターが正午の前から去ってしまうか、ぎこちない関係のまま物語は終わる。

6名すべてについて、それぞれ恋仲となるエンディングを達成すると、「トゥルーストーリー」と名づけられたシナリオへと進むことができる。
正午と6人の女性の一人、荷嶋音緒が恋仲になったのもつかの間、登場人物の一人が事故で死んでしまい、それを契機に正午の心は音緒とカナタとの間を揺れ動くことになる。

恋愛アドベンチャーゲームというと、およそ主人公が高校生で主人公を取り巻く人物も高校生であり、毎日が自宅と高校との往復ばかりというものが多い。
しかし本作の場合、主人公と恋仲になる女性陣こそ高校生あたりの年代である割合が高いが、主人公と主人公を支え導いていく脇役陣が高卒以上で固められている。
このため若者群像劇的な色彩を帯び、人生訓を含んだ会話がしばしば挿入されて、主人公と女性キャラクターの成長物語という側面が強い。
また、いわゆる「ギャルゲー」では扱いの悪い男性キャラクターたちも比較的魅力の高い人物となっている。
特にシリーズ3作連続で主人公の親友役として狂言回しを演じる稲穂信。
第1作の2年後にまさかこんな男前な奴になることを誰が想像できただろうか。
にもかかわらず全く恋愛に恵まれない彼が不憫だ。

それに比べて正午の頭の悪さが目立ち、感情移入を妨げる。
「ギャルゲー」の主人公を、女性キャラクターにアクセスするためのデバイスでしかないと割り切れば、主人公が鈍感だったり、傍観者的な態度を取ったり、没個性的だったりするのは理解できなくはない。
だが大学生とは思えないほど情緒面や知識面でレベルが低いのはいただけない。
主人公の親友役が「ギャルゲー」最高クラスな一方で、当の主人公は底辺クラスのダメな奴である。

感情移入を妨げるといえば、カナタのキャスティングもそうだ。
「 1st 」で重要な役どころであるヒロインの声が悪くて興醒めした悪夢が再来。
カナタの声が素人じみてて気分が萎える。
ひょっとしたら大人の事情があるのかもしれないが、納得できない。
カナタ自体のキャラクターはこの手のゲームにはあまりないタイプで面白いだけに残念。
(具体的に言うと、カナタは正午に「お前」と呼ばせず対等の立場であることを求めるし、正午から逃げて別の男と付き合っていた期間のことを物語の最後までほとんど語らないまま。また、男に媚びた態度を取らない。胸にはタトゥーを入れている。)

私の好みで言うと、本作はシリーズ3作中で一番好きだ。
しかし結局家庭用ゲーム機の作品だけに、登場人物たちの年代なら当然関わってくるであろうセクシャルな面が隠蔽されており、根本的な不満足感は解消されない。

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