意外に量が多くて二つじゃ収まりそうにない。
志村貴子『敷居の住人』(全7巻、Beam comix )
ISBN:4757702116
ISBN:4757701314
ISBN:4757701322
ISBN:4757701772
ISBN:4757703775
ISBN:4757706944
ISBN:4757709714
主人公のちあきは、髪を緑に染めタバコを吸いゲームセンターに入り浸る中学生。
童顔の美少年で女子生徒の人気絶大だが、本人は気にも留めていない。
ある日ちあきはゲームセンターの対戦格闘ゲームで、キクチナナコという美少女に出会う。
また、ちあきの学校に彼と瓜二つの顔の教師、兼田が赴任してくる。
兼田に恋するキクチナナコ。
キクチナナコに恋する主人公の友人、村上。
ちあきに恋する同級生、中嶋。
ちあきと知り合う少女、ゆか。
親しくなってちあきが恋心を抱いたのも束の間、狙いは村上だった少女、安達。
傷ついたり傷を舐めあったりする少年少女たち。
彼らに囲まれながら、ちあきはひたすらウジウジと中学・高校生活を過ごしていく。
端正な絵柄で脱力感のある独特な雰囲気のなか語られる物語。
坂口尚『 VERSION 』(上下巻、講談社漫画文庫)
ISBN:406260874X
ISBN:4062608812
梅田の紀伊国屋書店の隅っこに潮出版社版がひっそり売られてて、買わなきゃなーと学生の時から思ってたのに随分と時が経過してしまった。
いつの間にか文庫版が出てるやん、と気づき購入。
学習・記憶し自己増殖を行うバイオチップ「我素」の開発者が「我素」を持ち出し失踪。捜索依頼を受けた私立探偵は開発者の一人娘と出会い、共に彼の行方を追う。
さらに「我素」が人類を新たな段階へ導くものとし、「我素」を手に入れようと謎の教団が二人の前に現れる。
その中で浮かび上がってくるのは人類に繁栄と苦悩の両方をもたらした「自我」と「言葉」の問題なのだった。
そんな壮大なテーマを描いた SF 長編作品。
人類の知のルーツを語っている点では『2001年宇宙の旅』を、人間の自我とコミュニケーションをめぐる物語という点では『新世紀エヴァンゲリオン』を思い出させてくれる。
坂口尚『12色物語』(講談社漫画文庫)
ISBN:4063603873
12の色のイメージから生み出されたという12本の連作短編集。
「珠玉の短編」って言葉はこの人のためにあるね。
坂口尚の長編作品は人類全体を見据えてて、ある種の説教臭さがあるけれど、それが苦手って人にはこちらがお勧め。
坂口尚『坂口尚短編集』(第1巻、チクマ秀版社)
ISBN:4805003731
剣と魔法の世界じゃない方のファンタジー的作品が多く収められている。
1970年頃、芸術マンガといった感じの感覚的・文学的表現が模索されていた時期の作品もあって興味深い。
全巻揃えたいけど高いのよね。
その代わり紙はマンガ本においては最高クラスだと思われる上質なものが使われてて、永久保存版ではある。
小栗左多里『ダーリンは外国人』(第1巻、第2巻、メディアファクトリー)
ISBN:4840106835
ISBN:4840110328
外国人の男性と事実婚をしている著者のエッセイマンガ。
外国人と暮らすことによるカルチャーギャップよりも、国籍・民族に関係なく夫のトニーの愉快なキャラクターが面白さの主因じゃなかろうか。
安野モヨコ『ラブ・マスター X 』(上下巻、宝島社文庫)
ISBN:4796619631
ISBN:479661964X
閉塞感のあるニュータウンを舞台に様々な恋愛模様が絡み合う。
それは舞台同様、実は極々狭い範囲の人間の間で生まれた恋愛の坩堝だった。
怒涛のテンポで動いていく物語に突き動かされて一気に読んでしまった。
実は安野モヨコのマンガは『働きマン』くらいしか読んだことがなかったのだけれど、こりゃ大した技量だわ。
雁えりか 『バンパイアドール・ギルナザン』(第2巻、ZERO-SUM コミックス)
ISBN:4758051437
ギャグあり、感傷あり、の2巻目。
ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』(第4巻、アフタヌーン KC)
ISBN:4063143848
いよいよ夏の甲子園の第一試合が始まるってところでこの巻は終了。
アフタヌーン本誌はすっかり読まなくなっちゃったんで、第5巻が出るのが楽しみ。
あずまきよひこ『よつばと!』(第4巻、電撃コミックス)
ISBN:484023163X
相変わらずいい仕事してますな。
あずまきよひこ『あずまんがリサイクル』(電撃コミックス EX )
ISBN:4840218617
あずまきよひこが『あずまんが大王』でブレイクする前、アニメ『天地無用!』『バトルアスリーテス大運動会』のビデオなどの付属冊子に描いていたマンガをまとめたものの再版。
元ネタ作品のキャラクター設定の知識はあったのでそこそこ楽しめたが、知らない人には辛いだろう。
『あずまんが大王』に通じる雰囲気はしっかり備えているので、『あずまんが大王』ファンはコレクターズアイテムとして持っていてもいいと思う。
陸奥A子『ハーパーの秘密 陸奥A子 collection 1』( YOUNG YOU 特別企画文庫)
ISBN:4087851370
1990年ごろの作品。
陸奥A子の乙女チックなマンガに触れた少女が20歳そこそこになったけど、まだ乙女チックなところに留まっている――そんな読者を対象にしているような感じ。
2005年の現在にあっては、この作品に描かれるような女性たちは現実感に乏しくて、同年代の女性の共感は得られないんじゃないかな。
ただ、だからこそ私みたいに少女幻想に逆行しがちなオタクでも抵抗なく読めるのだが。
陸奥A子『紙のお月さま 陸奥A子 collection 3』( YOUNG YOU 特別企画文庫)
ISBN:4087851400
古本屋には「1」と「3」があって間の「2」は欠けていた。
森真之介『HAPPY・LESSON ママ先生は最高! 』(第1巻―第2巻、電撃コミックス)
ISBN:4840222428
ISBN:4840225060
柔らかくて可愛らしい絵柄だったので古本屋で「ジャケ買い」してみた。
天涯孤独な高校生である主人公に同情して、5人の若い女性教師が母親代わりに同居を始める――という終末感漂う設定。
しかもそこに至る経緯は殆ど説明がされない。
仕方ないので調べてみると「電撃 G's マガジン」の企画が原作で TV アニメにもなった作品らしく、このマンガはその原作設定を元にマンガ化したものらしい。
なるほど、『シスタープリンセス』みたいなものか。
それぞれのキャラクターに萌えれればそれでよし、ってことね。
同じ職場の同僚と生活を共にするのに葛藤はないのかとか、職員5人が同じところに転居したら事務員経由で学校にばれるぞとかいうツッコミはするだけ野暮なのだ。
続きがあるらしいのだが単行本第3巻は未刊。
折角だから続きを読みたいのに……売れなかったのかな。
原作:片山恭一、作画:一井かずみ『世界の中心で、愛をさけぶ』(フラワーコミックススペシャル)
ISBN:4091382738
こいつも古本屋で見つけたので買った作品。
原作は言わずもがなの大ヒット作だけど、私は原作の小説を読んでいないし、映画版も TV ドラマ版も観ていない。
大衆迎合は嫌だ、みたいな中学生じみた感情があって、原作は古本屋の100円コーナーに並んでるのを見つけたら買おうと思っている。
有名作品だけに「恋人が不治の病で死ぬ」という筋書きらしいとは聞いていた。
映画『劇場版 AIR 』の感想で「セカチューの二番煎じ」「不治の病ものは食傷」なんて言う人もいたし。
しかし私は『 AIR 』の方が原作も映画も好きだ(ちなみに『 AIR 』の原作は2000年発売、『世界の中心で、愛をさけぶ』は2001年発売)。
原作の小説はもっといいのかもしれないけれど、少なくともこのマンガ版では切なさを感じこそすれ、あまり心を揺さぶられなかった。
ヒロインを病院から連れ出して結局死期を早めるだけに終わり、しかもその行動の馬鹿馬鹿しさに屈託のない主人公には興醒めしてしまう。
不治の病→病院脱出という物話の展開上、どうしても『 narcissu 』と比較してしまうのだが、『 narcissu 』の方が断然グッと来る。
『世界の中心で、愛をさけぶ』『 AIR 』『 narcissu 』を三つ並べて思うのは、男はヒロインの死に際して、とことん無力だということだ。
『 AIR 』の原作では主人公は鳥となってヒロインに殉じ、映画版ではヒロインの「ゴール」を見届ける。
『 narcissu 』では、もはや恋愛すら発生せず、ヒロインは自ら人生を選び主人公はそれを見届ける(そして主人公も早晩死ぬことになっている)。
男って悲しいな……。
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