先日、甲子園球場へオールスターゲームを観に行った帰り道のこと。
阪神電鉄の甲子園駅の混雑を避けるため、球場前でしばらく立ち話をしてから駅に向かった。
甲子園駅は幹線道路を跨いだ陸橋上にプラットフォームがあり、その出入り口は
東西に一つずつ、道路の両岸に設けられている。
西口へ向かったところ、改札口からプラットフォームまで、まだ行列が詰まっていた。
道路を渡った東口も同様の混雑具合のようであった。
さてどうしようか、と横断歩道からほど近い場所で立ち話をしていたまさにその時。
右の方から突然若い女性が駆け寄ってきた。
私が着ていたマリーンズのユニフォームシャツの右袖を掴み、上目遣いに言う。
「8月の12-14日、スカイマーク行きます?」
キャッチセールスの多い都会に暮らす人間の悲しい性、話の内容を理解する前に私は「いえ」と即答。
そう言いながら、「ああ、バファウェーブ対マリーンズ戦を観に行くかということか。なかなか綺麗な姉ちゃんやなあ」と思う。
だが彼女は私の答を耳にするやいなや憮然とした顔つきとなり、一言も発することなく踵を返す。
共にオールスターゲームを観た連れだろうか、ボストンバックほどの大きなカバンを抱えた女性の元へ戻り、彼女はそのまま横断歩道の方へ向かってしまったのだった。
カバンからは縞模様の布が見えた。
さて、彼女は一体何をしたかったのだろう?
1.オリックス球団がばら撒いたタダ券が余っていたところ、マリーンズファンを見たので売りつけて小遣い稼ぎを目論んだ
2.彼女はマリーンズファンで、一緒に観戦に行く男を引っ掛けようとしていた
3.彼女はマリーンズファンではないが、マリーンズ戦を観に行こうと思っていて、一緒に行く男を引っ掛けようとしていた
4.キャッチセールス
5.創価学会への勧誘
私は多分、1だと思う。
よしんばナンパだったとしても、挨拶一つできないような礼儀のなってない人間はいくら美人でも閉口する。
ちなみに私が立ち話をしていた相手というのは、マリーンズのユニフォームシャツを着た男性1人、ゴールデンイーグルスのユニフォームシャツを着た男性1人、バファローズのユニフォームを着た男性1人、ベイスターズのユニフォームシャツを着た男性1人、普通の服装をした男性3人という構成であった。
もし読者の皆様の中に円紫師匠や猫丸先輩並みの名探偵がいらっしゃるなら、推理をお聞かせ願いたい。
この時は本当に観戦予定は決まっていなかったのだが、8月に入ってから8月13日は休みと確定したので、観に行くことにした。
スカイマークスタジアムはおよそ1年ぶりである。
前に来たときは「 Yahoo! BB スタジアム」という名前で、プロ野球選手会によるストライキが行われていた。
お盆の土曜日、そして毎夏恒例の花火ナイトということで混雑が予想されたのだが、支度に手間取ったためスタジアムに到着したのはゲーム開始30分前。
既にレフト外野席は座席が埋まってしまっていた。
一人ならどこか入り込めるスペースがあるだろうと思ったのに、まったく見当たらない。
仕方なく立ち見に甘んじる。
立ち見でも良好な視界を得られるのがこのスタジアムの素晴らしいところである。
ゲームは、5回裏の打ち上げ花火を待たずして花火大会となった。
バファウェーブの先発ピッチャーは、今シーズンのマリーンズが苦渋を舐めている吉井。
今日も抑えられそうな不安があったが初回、2番堀がライト最前列へソロホームランを放ち先制。
福浦が凡退ののち、4番に抜擢されたサブローが起用に応えてレフトへソロホームラン。
さらに5番フランコもセンターバックスクリーン右へソロホームラン。
ソロホームラン3発で、苦手の吉井から3点をもぎ取る。
しかしマリーンズの先発ピッチャー、清水直行も立ち上がりがよくない。
ヒットとフォアボールで塁を埋め、2点を失う。
速球は140km/h出ないし、変化球も高く浮いていた。
塁が埋まると力が入るのか、速球も145km/h前後出ていたが……。
直後の2回表、パスクチのヒットに続いて橋本がライトへ2ランホームランを放ち、5対2。
再び点差を3点として、マウンドから吉井を引き摺り下ろした。
2回裏も清水は冴えない投球で、1アウト満塁のピンチを招く。
ここはなんとか無得点とするが、3回裏、先頭のガルシアに打った瞬間それと分かるソロホームランを浴びて5対3。
厳しい展開だが、今日のマリーンズは点を取られたら取り返す。
4回表、先頭のイ・スンヨプが歌藤からレフト前にヒットを放つと、続くパスクチの打球はセンターへ高々と打ちあがる。
滞空時間の長い軌道を描いて、ボールはセンターバックスクリーンにギリギリ飛び込んだ。
個人的には全然期待していなかった男の2ランホームランで、7対3。
しかし4回裏も清水は2安打を浴びて1点を失う。
7対4。
不甲斐ない清水をアシストすべく、5回表にマリーンズ打線は大爆発する。
今江のレフト前タイムリーヒットで8対4。
イ・スンヨプの右中間への二塁打で2者生還し10対4。
さらにパスクチがレフトポール際へライナーで飛び込む2打席連続の2ランホームランを放ち12対4。
おまけに西岡がライトスタンドへギリギリ飛び込むソロホームランを打って13対4。
こんだけ取れば大丈夫やろ……という訳にはいかなかった。
5回裏、またもガルシアだ。
センターバックスクリーン右へソロホームラン。
ここ数ゲームで8ホームランの量産である。
どこに投げても打たれそうな雰囲気であった。
この回、大西もバックスクリーンにソロホームランを叩き込んで、13対6となる。
ここでやっと白球の花火ではなく、火薬の花火の登場だ。
屋外球場ならではのイベントである。
ドーム球場なんてクソ食らえだ。
来年もここで観ることができればよいのだが……。
火薬の花火が尽きても、花火ナイトは続く。
6回裏、清水からマウンドを受け継いだ小宮山が後藤に2ランホームランを浴びて13対8となる。
その後両チームともランナーを出すが得点に至らず、ゲームセットを迎えた。
両チーム合わせてホームラン11本が乱れ飛ぶ、大花火大会であった。
ホームランの打ち合いとなったアホなゲームは過去何度も観たことがある。
4、5年ほど前のバファローズ対ファイターズ戦、バファローズ対ホークス戦なんてホームランによる逆転また逆転の繰り返しだった。
しかしさすがに1ゲームで2桁のホームランを目撃したのは初めてだ。
これだけホームランが多いと食傷して「もういいよ」という気分になる。
何事も加減が大事である。
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