5 janvier 2005

『 Ever 17 』謎解き妄想の足跡

大学受験直前の受験生や、レポートまたは卒論提出直前の学生の現実逃避活動にお勧めなゲームソフト『Ever17 - the out of infinity - 』のお話を前回に引き続き展開する。未プレイな方は公式サイトでキャラクターと物語の設定を予習してからお読みください。

『Ever17 - the out of infinity - 』の謎について、解決篇を見る前に私が立てた仮説の断片をちょいと書いてみる趣向です。思考は実際のところ独り言だけど、そのまま書くと鬱陶しいので対話調に。ネタバレはしない方向で。

D「というわけで始まりまして、早速語らせてもらいますねんけどね」

G「漫才かいなこれは」

D「まずアレやね。『遍在』っちゅう台詞がキーワードやね。笠原弘子演ずる空に絡んで作中で語られてるけど」

G「ま、好きなだけしゃべり。聞いといたるわ」


D「トリックは、こう。ココはテーマパークの コンピュータに送り込まれたウイルスみたいなもので、外部から操られたココが自在に登場人物を取り巻く状況を書き換えていく。ココが幽霊みたいに現れたりとか、登場人物が幻覚を見たりするのはそのせい。ほんまは事故なんかも起こってへんねん。コンピュータを通じてしか水上とかテーマパークの全体状況を把握できへんから、コンピュータが嘘のセンサー情報を吐いたり嘘の網膜映像やら立体音声出して辻褄合わせれば、事故を演出できる。大体、この手の SF 物語やと、中央制御コンピュータは嘘をつくってのがお約束や」

G「実際に浸水した海水に濡れたり怪我したりしてるのはどう説明するんや」

D「ココは人間の集合的無意識っていうネットワークに干渉できる存在でもあるから、人間の記憶も操作できるし、人間同士の意識を混在させることもできるんや。『どこにいたって、人は、繋がっているのよ』とか『記憶なんてただの記録。嫌な記憶は書き換えちゃえばいい』なんて言いながらな」

G「それって思いっきり『serial experiments lain』のパクリやろ!パクリ作品やったら酷評されるだけやん。それハズレ」

D「あかんかー。lain の公式画集のタイトルは『omnipresence』、つまり『遍在』なんやけどなあ」

D「でもな、外部の意思がある、ってのは間違いない。外部との通信が途絶えてるのに電気も食料もバッチリっていう不自然な事故状況とか、『記憶喪失の少年』視点シナリオでのつぐみの反応とか、優の両親の謎とか」

G「ほほう」

D「作中で3次元や4次元の話しとるやろ。ってことは、SFでおなじみの『平行世界』の概念がポイントになっとるのも間違いない。平行世界の間を行き来してる奴がいて、そいつが平行世界の境界を崩しとるんちゃうか。そのせいで記憶が混乱したり幻聴・幻覚=別の世界での声・視覚が現れる」

G「ええとこ突いてるような、ハズレてるような」


D「あるいはこんな設定かもしれん。実際は登場人物の誰かがどっかテーマパーク外におって、眠りこけてる。そいつの意識は別の平行世界の中にあって、そこに他の人物たちの意識も作為が不作為か分からんけど入り込んで、事件が起こっとるわけ。しかも平行世界間を移動して何回も同じ事件を体験する羽目になるんや。だからマルチエンディングであっても矛盾はない。これが infinity の意味な。そんで、事実に気づいた王子様が、眠り姫を本来の世界に生還させて、大団円よ」

G「『雲のむこう、約束の場所』みたいな話やな。ハズレくさい」


D「じゃあな、このゲームの世界ではヒトクローンが合法っていう設定がさりげなく出てくるところが怪しいな。登場人物は実はクローン人間で、実験のために事故状況を繰り返してる、とか」

G「苦しいな」

D「クローン絡みで怪しいんは、両親について謎を抱えてる田中優美清春香菜ってキャラやね。名前が怪しすぎる。こいつが実はクローン人間でな、初代が田中優美、二代目が田中優美清春、三代目が田中優美清春香菜だったのだ!ってのはどう?クローンやったら親子の年齢関係が混乱するし」
G「言いがかりに近いけど、着眼点は間違ってへんかもしれん」

D「あるいはこいつの本当の両親の名前は田中優美と田中清春で、彼らの間に出来た子供が田中優美清春香菜」

G「まだクローン説の方がマシちゃうか」


D「じゃあクローンが誰かはともかくとしてクローンが混ざってるとしよ。そこにハイバネーションを組み合わせて登場人物の年齢を制御、コンピュータもいじって登場人物にとっての時間認識を狂わせる。んでもって閉じ込め事故をお膳立てして、登場人物がテーマパークから脱出してくるごとに捕まえて何か最新技術で記憶を消してもっぺんテーマパークに戻しての繰り返し実験をしとるってのはどうや。個人差で過去の記憶が時々甦るから幻聴とか幻覚とかを感じるんや。でも、ハイバネーションから戻らんまま実験を途中棄権状態な奴がおってな、そいつのせいで『倉成武』篇と『記憶喪失の少年』篇でメンバーが違うねん」

G「ええとこ突いたような気がするけど、そんな実験をやる必然性が感じられへんから何か説得力があらへんわ」


D「でもな、メンバーの違いの謎とか、田中の親の謎とか、ハイバネーションとか、外部で何か画策してる奴の存在とか、不老ウイルスとかの状況証拠で確信したで。少なくともな、『倉成武』篇と『記憶喪失の少年』篇は時【ピーーーーー】でな、【ピーーーーー】やで

G「うわ、ネタバレになってまうがな。もうこのへんでやめさせてもらうわ」

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